某通販サイトでER20コレットが使用できる激安ホルダを発見しました
好きなツールメーカーは日研です!!!
そんな筆者ですが・・・
ついにネットで売っている激安ホルダに手を出してしまいました。
一応、金属加工を日本で行っているので、一般通販サイトで売っているノーブランド輸入工具には多少の違和感を感じます。
が、ライバルを知ることは大事だと思うので、海のモノとも山のモノともワカラナイ謎ホルダを愛機にセットすることにしました。
※今回の取り組みはマシニングセンタの主軸を痛める可能性のある、非常にリスクの高い内容です。
もし、当該ホルダを購入、取付を検討される場合は、自己責任にて宜しくお願いいたします。
使用レビューを行う商品はコチラ
ブランド ※今回は諸事情によりメーカー名を伏せます
高精度40cr合金鋼ミルホルダー
フライス旋盤ツールコレットチャックツールホルダー
BT40-ER20-70、クランプ範囲1〜13mmのCNCフライス盤用
送料込み 4,079円!!!?
普通、ERコレット用BT40ホルダを買うと、15,000~30,000円でしょうか。
ありえないです。
衝撃的な激安ホルダですが
もうメーカー名を読むことができないことにも慣れてきました(笑)
しいて呼ぶなら・・・アゥムファー?・・・ゥンッファー?? 筆者には無理でした。
まずは購入時の状態↓
輸入工具調達に慣れてきた筆者にとっては違和感がないですが、読者様方はどうでしょう?
この海外トラベラーの旅行バック感(笑)
次に中身の状態↓
とりあえず防錆処理は確実なようです。
いよいよ本体です↓
正直なトコロ、加工屋のワタクシとしましては、この工具をどうやって5千円以下で作るのでしょうか・・・
理解ができません。量産でも厳しいのでは・・
テーパ部は国内品と比べると少し粗いです。
ナットネジ部の具合
片手でスルスルと回すことができます。
プルボルト取付
特に問題無し
刃具取付
※取付予定…でした
コレ・・・もし切削に問題が無かったら逆にどうしよう・・・
「これでエエやん」となってしまう自分が怖いです・・
どうなる日本のものづくり!??
後半につづくっ!!!
高送り、突き、高回転の3種類でテストカットの予定だったのですが
と、ここで衝撃の事実が発覚しました。
刃物をホルダに取り付けようと、セッティング台にのせたところ、何やらキズのような跡が・・
まだ金属とは接していないハズなのですが・・・もしかして
高回転加工以外には影響ない程度にヤスリで削ってみると・・・
えっ!!!!!
削れとるやないかいっ!!!
それにしても、まぁまぁスゴイ勢いで削れます。
さすがにマズいので色々な場所を試してみたところ、全体的にヤスリ以下の硬度でした・・・
表面からいきなり削れるので硬質クロムメッキ処理も甘い?
どうやら「40CR合金鋼」とは中国の規格のようです。
日本の規格では「SCr440」クロム鋼相当品だそうです。
SCMなら良く聞く素材ですがSCrは初めて聞きました。
簡易的に硬度を測定したところ、HRC45以上HRC50未満という具合でした。
にしても、本格的に焼きは入っていないと思いますが、生材というほどでもないし、
調質を行っているのでしょうか・・
コストダウンのために焼入れ研磨を省いて、切削で加工できる&使用に問題無いちょうどイイラインを狙ったとすると・・・結構考えてますねぇ
さすが超合理的ですね(-“-)傷んできたらスグ交換??
でも、せっかくなのでマシニングに取り付けたいっ!!
見た目はキレイなのに・・・
心配な部分が多いですが、とりあえず恐る恐る主軸にクランプしてみます。
5ミクロン程度振れがありますが、低回転で加工する分には問題無さそうです。
ドリルをセッティングしてみましたが先端で振れ0.02程度です。ハイスなのでオッケイということで(笑)
一般的な条件で普通に加工できてしまいました(-“-)
テーパ部の硬度的に耐久性には非常に不安があります。また突発的な事故(プルボルトのネジ破損など)の心配があるので、通常使用はやめておこうと思います。
[まとめ]耐久性に不安が残るが、4,000円でこの精度のホルダが作れるのが信じられない
国内のマシニングセンタに使用されるツールがこれからこの価格帯になってしまうことはないと思いますが、
日本の製造業も色々と考え直さないとイケナイ段階なのでしょうか?
ぶっちぎりの複合的な加工技術(冶金、接合、除去、表面処理)と超ローコストのものづくりのすみ分けが難しくなってきているような気分です。
焼入れ研磨で長持ちホルダvs調質鋼を切削コスパ狙いホルダ
こんな企画が必要にならないことを願うばかりです。
と、いうことで今回はその硬度測定に役立った簡易硬度測定用のヤスリを紹介して、少しでもお役に立てればと思います。
鉄工所を生業とする以上は一見さんが「コレ壊れたから作って」と現物を持ち込んでいただくことがよくあります。形状はおおよそ測定できるのですが、硬さがわかりません。
かといって専用に硬度測定器を買うのも大掛かりなので、当社では↓コレを採用しました。
安心安定のツボサンさんです。
硬度チェックの詳細をコチラ↓で紹介します。
近日公開予定某サイトで購入したホルダを硬度チェック用のヤスリで調べてみた
HRC40~60までの硬度を簡易的に測定することができます。
法人価格だとさらにお安くなります。
↓詳細はコチラ
最近では機械加工用の工具をアマゾンで調達することが増えてきました。アマゾン・ヤフオクあたりは商社さんでは取り扱いの少ないキワドイツールが色々とあります。アタリはずれを見極めることも必要になってきますが・・・今回のように(笑)
Amazonビジネスでは法人価格が適用となりますので、競争力のある価格帯でキワドイツール達が購入可能になっています。既存の商社さんに怒られない程度にどうぞ♪